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「あ、藍乃おこんなって...それよりさ!!
嘉村!!俺今朝登校するときによ!見たんだよっ!!」
鼻息が荒いぞ。
「何見たんだよ」
どうせくだらないことなのだろう。
「それがさぁ!ゆ、う、れ、い!」
は?
ちょっと大丈夫ですか?
「お前、頭大丈夫か?」
「嘘じゃない!俺はこの目でみた!!まじで!」
絹島は絶対に嘘はつかない人間だ。
高校の入学以来から友達だった俺らはお互いのことは多少なりとも、いや、結構わかってるつもりだ。
絹島がみたというんなら実際にみたんだろう。
だが、
「あのな、絹島、俺は幽霊がいようがいまいがそんなこと興味ない。
大体、お前の見間違いとか勘違いだろ?」
「いや!あれは幽霊だね!
だって体育館の壁のぼって、二階の更衣室の窓に入ってったし、そもそも容姿なんだけど凄く長い髪が
身体全体を覆ってて....なんか手足も数本生えてた....」
おいおいそれはそれで問題だし
それは幽霊なのだろうか?
妖怪としか言い様がない。
そして次に質問する俺の言葉。
「...そんで?更衣室は女子更衣室か?」
いやいやいやいや、まてまてまて。
何を言ってるんだ?俺は?
あ、今藍乃が俺の方睨んだぞ?
地獄耳かっ!
自分の心から出てしまった言葉に動揺する俺。
「たしか女子更衣室だったはずだぞ?」
来たぁああ!!
いやいやいや、なんも来とらんわ。
落ち着け、俺。
まだ睨む藍乃に誤解をとらなければ!!
こんなのいつもじゃないか!誤魔化せばいける!!
「俺もたまにはいってみたいな。
女子更衣室。」
はい。言っちゃった。終わった。
今藍乃さんが不敵な笑み零しましたよ?
あれ?藍乃さん?その片手に持ってるのカッターですか?
.....大分話がずれてしまった。
後で俺はこの世から抹消されるのだろう.....
「おい!嘉村!聞けって!そんでさぁ!
今日女子更衣室いかない?放課後に!幽霊気になるし!」
俺に小さく耳打ちする絹島。
藍乃を恐れているのであろう。
「なんで俺がいかなくちゃ行けないんだ、
幽霊が、はいったからって気になるのか?
毎回言うけど幽霊なんて子供騙しの単なる架空のもの。
いちいち気にしてられねぇよ。」
幽霊が女子更衣室にはいった。
それがなんだ?いってどうする?
幽霊の痕跡とか探すつもりか?
馬鹿馬鹿しい。
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