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何事も無く、今になったのだろう。
御形の家に戻ると、
霊能力者はしないと言っているのに、
蔵の中の人形が泣いていると、御形の父親が困っていた。
「人形ならば」
遊馬人形を、泣く人形の前に置いた。
「遊馬、
悪霊だったら、連れっててくれ」
遊馬人形が、微かに頷く。
一瞬、遊馬人形の口元が笑ったと思うと、
泣く人形が消えていた。
「遊馬、中身だけにして」
ペッと音がすると、
泣く人形が再び現れた。
「多分、これでこの人形は静かです」
荒いやり方に、御形の父親が苦笑いしつつも、
遊馬人形に礼を言っていた。
「人形が無い!」
遊馬人形を勝手に持ち出していたので、
真里谷が叫ぶ。
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