第九章 ヘブンズゲーム 終

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 何事も無く、今になったのだろう。 御形の家に戻ると、 霊能力者はしないと言っているのに、 蔵の中の人形が泣いていると、御形の父親が困っていた。 「人形ならば」  遊馬人形を、泣く人形の前に置いた。 「遊馬、 悪霊だったら、連れっててくれ」  遊馬人形が、微かに頷く。 一瞬、遊馬人形の口元が笑ったと思うと、 泣く人形が消えていた。 「遊馬、中身だけにして」  ペッと音がすると、 泣く人形が再び現れた。 「多分、これでこの人形は静かです」  荒いやり方に、御形の父親が苦笑いしつつも、 遊馬人形に礼を言っていた。 「人形が無い!」  遊馬人形を勝手に持ち出していたので、 真里谷が叫ぶ。
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