第九章 ヘブンズゲーム 終

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「ごめん、ちょっと借りた」  真里谷に遊馬人形を返そうとしたが、 遊馬人形が、俺の手を握り締めて離さない。 「遊馬、真里谷の所に帰れ」  振りほどこうとしても、離れない。 「遊馬、真里谷が怒るから、離して…ください。 お願いします」 「…遊馬が離れるまで、 一緒に、この部屋に居ろ」  部屋に居るついでだと、 俺の苦手科目を徹底的に勉強するはめになった。 真里谷、教えるのは上手いが、 間違えると、 デコピンが来る。 額が真っ赤になりそうだった。 「しっかし、天使は本当に綺麗だな。 遊馬が惹かれた気持ちが分かる」  勉強の合間に、真里谷が遊馬人形を引っ張ったりして、 離れないか確認していた。
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