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彼女、神崎 玲那(かんざき れな)。
俺は、別れなくてはと思いつつも、
すっかり後回しにしていた。
玲那とは、恋人というよりも、
幼馴染の一人で、むしろ親友だった。
玲那が、付き合うと言いだした時も、
別れても幼馴染だからねと、
最初に念を押されていた。
さっぱりした性格で、
俺の家にも嫌悪感がない。
バレンタインデー前日、
呼び出されたのは、小さな喫茶店だった。
相変わらず美人で、周囲の視線を集めていた。
本を読むのも、ジュースを飲むのも、
様になる美人だ。
「黒井…。
言いたいことは分かるよね。
それに、前日呼び出したってことは、
お互い彼氏は別に居るということ」
「彼氏は、
お互いではないだろ!」
出てきたコーヒーを吹き出しそうになった。
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