おまけ バレンタインデー キッス

3/10
前へ
/263ページ
次へ
 彼女、神崎 玲那(かんざき れな)。 俺は、別れなくてはと思いつつも、 すっかり後回しにしていた。 玲那とは、恋人というよりも、 幼馴染の一人で、むしろ親友だった。  玲那が、付き合うと言いだした時も、 別れても幼馴染だからねと、 最初に念を押されていた。 さっぱりした性格で、 俺の家にも嫌悪感がない。  バレンタインデー前日、 呼び出されたのは、小さな喫茶店だった。  相変わらず美人で、周囲の視線を集めていた。 本を読むのも、ジュースを飲むのも、 様になる美人だ。 「黒井…。 言いたいことは分かるよね。 それに、前日呼び出したってことは、 お互い彼氏は別に居るということ」 「彼氏は、 お互いではないだろ!」  出てきたコーヒーを吹き出しそうになった。
/263ページ

最初のコメントを投稿しよう!

258人が本棚に入れています
本棚に追加