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その場で札を渡す、
物々交換のようになってしまった。
玲那も、微かだが霊が見えた。
「悔しいよね、
黒井、会う度に綺麗になって、
しかも、かっこいい」
「玲那が綺麗だよ。
会う度に驚く、美人になって」
お互い褒め合ってから、溜息を付いた。
「黒井、チョコケーキ作るのを手伝って。
黒井は、昔から家庭科が得意だったから」
玲那、パン屋の娘だと言うのに、
料理がからきし出来ない。
パン屋は朝が忙しいので、比較的に空いている午後、
オーブン等を借りてケーキを幾つか作った。
何故、何個も作るのか？
一番、出来のいいものを選びたいのだそうだ。
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