おまけ バレンタインデー キッス

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「一個、俺のか」  真里谷が、一個取ろうとすると、 御形と一穂が先に、一個ずつ確保した。 「残りは俺のだな」  直哉も一個取る。 「一個ずつ貰ったところで、全員満足ですね。 はい、テーブルに置いて、 回収です。 皆で分けて食べましょう」  御形の母が、 包丁で切り分けてくれた。 やけに、切り分けが多いと思ったら、 御形の母親の切り花教室の皆さんが食していた。 他に、御形の父親と祖父も、 縁側で食べていた。 「御形…」  御形の姿を探し追いかけた。 御形は、池の鯉に毒見をさせてから、 ケーキを食べていた。 「毒見か?」 「否、鯉にもバレンタインだ。 黒井のファンだからな」  鯉が、ケーキのスポンジを美味そうに食べていた。
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