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君島が、
話しかけようとすると、
すっと消えてしまう。
でも、毎日同じ時間に、同じ場所に現れるので、
お皿に置いたこぎつねを、置いてみた。
少女は、こぎつねを手に取ると、
目をキラキラさせていた。
「食べてもいいよ」
君島が、遠くから声を掛けると、
少女はこぎつねを置いて走って行ってしまった。
次の日は、
更に、『たべて』とメモを添えて少女を待った。
少女は訪れると、
皿のメモを見つけた。
こぎつねを一口食べると、
少女は、笑顔で君島を見た。
『妾がモデルの菓子なのだ。
又出会うことができてまことに嬉しい』
少女が、
狐に姿を変えて消えて行った。
和菓子君島は、狐に愛されている店になった。
終わり
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