第一章 奇妙な噂

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 巷で、妙な噂が流れている。 その一、死を呼ぶ交差点。  最初に、その交差点の近くで、 首つり自殺があった。 見つけたのは、 早朝、クラブ活動で走っていた中学生。 首つりがあったのは、 バス停だった。  そのバス亭は、 バスを待つ中学生が風雨を凌げるように、 小屋が用意されていた。 小屋の天井にぶら下がる影を、 中学生は変質者が居るのかと思い、 皆でドアを開けた。  首を吊っていたのは、 三十代のサラリーマン男性。 その土地とも、 その交差点とも縁もない人物だった。 理由は全く不明。
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