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「はっ……なんだよ、これ…」
俺は座り込んでいた。
絶妙なユル感でお気に入りの黒スウェットの下には、固い土の感触。
さっきまであった自室のソファーの柔らかさは…
どこにも無い。
「有り得ない…よな?」
思わず手をついた地面の感触。
じゃりっとした小石の粒が、己の存在を手のひらにチリチリとした傷みをもたらしながら主張してきた。
さっきまで、その手には使い込まれたコントローラーが握られていた筈なのに。
「う…嘘だろぉおぉぉおぉ!?」
焦りに上ずる俺の声は、空高く木霊してから…
新幹線のトイレ並に勢いよく吸い込まれて消えた。
見慣れていた自室のオフホワイトの壁なんかじゃない。
雲一つない青空に。
「どうしてこうなった!?」
マジで誰か教えてくれ。
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