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共同のリビングには、備え付けのソファにだらりと寝そべるヤツが居た。
爽やかな朝なのに、清潔感の欠片もないダラリズム。
OLのカオルさん宅に居座り続けるファスナーの付いた某だらり熊と良い勝負だな。
「初めまして~♪
君がルームメイトさん??
僕は有栖川 圭斗♂
アリス★って呼んでねっ◎」
金色に近い茶色の髪。
赤くてタレ目がちの瞳。
……アリスだった。
つのだ☆ひ○でもない。
間違いなく……本物のアリス。
うん。
…そう、なんだけど。
『初めまして。
君がルームメイトさん?
僕は有栖川 圭斗。
アリスって呼んでね』
ゲームテキストと同じ台詞の筈なのに。
………。
何だろう、このガッカリ感(´ω`)
まるで詐欺写にホイホイされて、ビミョーなラインの女の子と初めて顔合わせしちゃった時のようだ。
「……蒼井遥杞です。
まぁなんですかね…
公私ともにテキトーによろしくお願いします」
今の俺は死んだ魚の目をしているに違いない(真顔)
「えっ?何その投げやりな挨拶∀
ウケるー♭♭
蒼井君って面白いねっ∀∀
写メって良「だが断る」ぶはっww瞬殺だし#」
2828しながらスマホを構えるアリスの右手を、手刀でスパーンと叩き落とす。
なんか。
コイツを見て、一気に脱力したせいか…
さっきまで自分の中でモヤモヤしてた緊張が大分解けた気がする。
ゲームの中とか異世界とか、そんな事を真面目に考えてた自分がバカらしくなってきましたぞ!
/(^o^)\oh!
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