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ちょっと待て、俺。 ウェイトだウェイト。 頭脳派(プギャー)の俺らしく、落ち着いて考えてみようジャマイカ!! 自分の黒髪を左手で、ぐしゃぐしゃにかき混ぜた。 あ、これ…全然落ち着ちついてない時の癖だわテヘペロ★ 「よっこい…ショーイチっと。」 落ち着こうと深呼吸を一つ。 取りあえず、座り込んでいた地面から立ち上がってみる。 さっきまでフローリングな城に居た訳だから、もちろん裸足だ。 小石が土踏まずに刺さって、さりげなく痛いぜ!! うん、マジで外だよな。 風が爽やかでうめぇ…。 さっきまでの俺は、完徹の果てにやって来た、睡魔というパターン青の使徒に侵食され、コントローラーを握りしめたままウトウトとしていた…と思う。 壁には時計がないから定かではないが、めざまし時計の形をしたゆるーいキャラが時刻を知らせながら飛び跳ねてるような時間帯で。 夏休みの自由さを祝福するように白く登り始めた朝日が、俺の酷使しまくった眼に周囲の風景をぼんやりと取り戻させた。 オフホワイトの壁。 俺の嫁(もちろん二次元)のポスター。 薄い本と、キャラソンCDの詰まった本棚。 消化する前に増えていく、横積みされたゲームパッケージ。 まさに天国そのものな我城を見回しながら…セーブボタンを押した、のは覚えているんだ。
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