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全ての魔物が吹き飛ばされるのを確認するとその人物は掴んでいた魔物を掴んだまま地面に下ろす。
掴んでいた魔物も流石に予言の遣いとは言えども先程の薙ぎ払いによって白目を剥いて口から液体を垂れ流しぐったりしていた。
微かな鳴き声らしきものが聞こえるがそんなことはお構いなしにその人物は魔物を吹き飛んだ魔物の大群に向けて投げつける。
悲鳴だろうか投げつけられた魔物は叫びながら徐々に加速ながら吹っ飛んでいく。
そして起き上がろうとした他の魔物に直撃して味方もろともまた吹っ飛ぶ。
多くの場所を滅ぼした予言の遣いが次々と吹っ飛んでいくその光景に人々は驚きを隠せなかった。
本当にあの人物は何者なのだろうか?
驚きを隠せない人々を他所にこの戦いが終わろうとしていた。
吹き飛んだのを確認した人物は先程から片方の手で握っている光る剣に力を込め始める。
時間が経つにつれて光る剣は長く大きくなり剣から放たれる輝きは強くなっていく。
それは明らかに今までに感じたことのない力の大きさであった。
人々の中に魔力を探知する素質をもつ人物がいたが光る剣から感じる力はこの世界の力の源である魔力とは明らかに異なる異質な力を感じたという。
光る剣が込められた力によって大きくなっていく間に吹き飛んだ魔物の大群が体勢を立て直し光る剣の人物に一斉に襲いかかった。
その表情からは心なしか随分と怒っているようにさえ感じる。
「今度は薙ぎ払えるものもないし、動けないだろう。」
迫り来る魔物は恐らくそう考えて一斉に襲いかかったのだろう。
だがこの行為が自分たちを殺すことになるとは知らなかった。
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