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‥‥あれからどれだけ歩いただろうか。
景色も変わらず移動距離さえ分からない。
だが、相当歩いたのには間違いないはずだ。
「もう、いい加減町とか見えてこいよな‥‥。」
男が諦め半分で呟いたその時、男の願いが届いたのか遠くの景色に石造りの大きな建造物と周りに建てられた住居が見えた。
形からして建造物は闘技場だろうか?
だが今の男には建造物が何であろうが関係ない。
町が見えただけで頭がいっぱいであった。
「やっと見えた‥‥!み、水ぅぅぅぅぅう!」
相当水に飢えていた男は暑さの影響などまるでなかったかのような早さで叫びながら駆け出す。
蹴った乾いた大地は深くえぐれ、砂埃が盛大に舞い上がる。
そして男の叫びが響く。
さて、どうなるのやら。
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