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…あれから数分後。
俺は今老人(仮)におんぶされてガラナの街を移動していた。
結局あの後必死の弁解によりなんとかテレポートを免れてなんとか助かったのだ。
無我夢中で正直何を言っていたのかは覚えていない。
とっても見苦しい感じだった気がするがまぁ結果オーライだ。
もっとも老人(仮)は最初から俺を助けるつもりだったらしく俺をからかっていたというのだ。
酷いわ!こっちは必死だったのに私を弄んでいたのね!キィー!悔しいっ!
と冗談はさて置き、俺に声をかけた人物は予想通り老人だったのだが…全身が衰えていない屈強な筋肉の持ち主だった。
顔には左目から唇までに大きな斬られた痕があり、また着ている半袖のシャツからはみ出ている太い腕や首にも戦闘による大量の傷跡が残っていることから現役時代には多くの戦場をくぐり抜けて来たことが伺えた。
ちなみに髭や髪の毛はなく、それを隠すかのように帽子を深く被っていた。
しかし、頭の大きさに対して帽子は小さいため本人は深く被っているつもりなのだろうが実際はチョコンと乗っかっているだけでどこか可愛い。
ちなみに今は老人に回復魔法をかけて貰ったおかげでなんとか首を動かして周りを見渡すことができている。
体の方は老人は回復魔法が苦手らしくまだ思うように動かない。
正直自分で回復魔法をかけた方がマシなレベルである。
「…もう少ししたら自分でやるか。」
ガラナの街を見渡しながら俺は呟いた。
「なんか言ったかぁ?文句があるならワシのお得意のテレポート魔ほ…「すいません!それだけは勘弁してください!」」
俺の呟やきに老人がすぐさま反応し脅してくる。
だが、俺もすぐに割り込むように謝罪をする。
え?プライドはないのかって?
プライドなんてくだらないもの生きるためなら捨ててやんよ。
…しかし、この地獄耳め。心でも読んでいるのかよ。ちょっと恐ろしいわ。
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