雨のち、虹。

Primo Capitolo..

幼なじみと言っても小学校に入ってから疎遠になって一度も喋ったことない。中学校も用事がある時は少し話したりしたけど、そんな話した記憶は無い。
彼女は幼稚園時代、僕の事を「ユズ君」と呼んでくれていたのだが…その呼び名をされなくて少し寂しいという気持ちもあった。
それにしても文化祭実行委員って、何をするのだろうか…？

「えーっと、11月中旬か下旬くらいに文化祭だから……後一ヶ月くらいかな？出し物は今日の5限で決めるからね！よろしくね！」
「はぁ……」

生瀬が僕の前から立ち去る。
なるほど。もうそんな時期になってきているのか。
文化祭かあ……いい思い出がない。
勿論、中学時代に文化祭とか経験してるから難しいことは無い。

……本当に僕なんかが文化祭実行委員なんてやってしまっていいのか。