怪奇に遭遇しやすい資質について

３

また事故を起こしちゃったんですね。だからここに入院してるわけでｗｗ

いいや、たいしたことはないんですよ。

進行方向左側のね、その方ばかり見ていたワタシの車に、対向車線からコンビニへ入ろうとした車がぶつかった事故ですからね。
まあ、相手が悪いということらしいです。

『アレ』のことが気になって不注意でしたけど、ワタシはスピードを落としてましたし。

逆に向こうはそれで通してくれるもんだと思って、突っ込んできたみたいですけどね。

ワタシはそのまま気を失っちゃって。

それで、ここで目を覚ましました。
起きてから検査をいくつかね、したんですど。どうもオカシイってことらしくてね。

怪我とか、とくにないんだけど‥どうやら、なにかヘンらしい。

ワタシからすると、『アレ』を見てるんだから、もうヘンだっていうのはわかってるんですけどねｗｗ

『アレ』って、よく見て確かめようとするほどに、知ってる何かと違う‥ってことしかわかんないんですよ。

ね、だからワタシはアナタのこと知ってる気がしたから‥ごめんねｗｗまじまじと顔、覗き込んじゃって。

ホラ‥それでアナタも《ほどけて》きてるでしょ。

アナタは‥誰です？ワタシにはついにわからない誰かなんですかね。

私が知らないだけで‥いや、ホントウはよく知っている‥。

なんだかすごく懐かしい‥でも、きっとはじめての、知らない「何か」なんですよね？

アナタは誰なんですか。

了