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‥ね。あぶないでしょ?
ホントにね、あやういんです。
ワタシはもうクルマをね、運転するのは、やめようと思ってるんです。
ついこのあいだのことなんですけどね‥免許の更新には、通りました。
単純な視力でいえば0.8あればいいワケですから、眼鏡を誂えなおせばいいだけです。
ですけど、とてもいけません‥。
その日はまた、傷ついた方の目のなかに‥鉤裂きのような線が、またあらたに引かれた日でした。
しばらくすると‥気づきました。
目をお陽さまの方に向けると、その時だけ‥ルビーみたいに、光が紅く染まるところがあります。
あの、鉤裂きのような線が見えたところです。
出血しているんだろう、と思いました。
まだお昼前だったですけど、景色からね‥なにか、滲み出しているような。
気付けばいつの間にか視界の全体が黄ばんでいて、ホントウに得たいの知れない‥紅の‥夕焼けに迷い込んだようでした。
まあ、まえを見て、ちゃんとね。運転してたんですけど。
でも、黄昏どきはね‥逢魔が時というでしょう?
‥眼球みたいな丈夫な臓器から出血してるんです。
もしかしたら、脳の中でも同じようなことが起きてるのかもしれない‥それくらいのことは考えた方が良かったのに、
ワタシときたら、
まるで黄昏のように黄ばんだこの街で、幽霊と遭遇してしまうかもしれない‥なんて。
オカルトな恐怖に、背筋を寒くしてたんです。
バカでしょww
‥じきに、お昼の時報が田舎町に鈍く響いて、ワタシはなんとなく安心しました。
仕事は1日休むことにしてましたから、はやく家に帰って、ゆっくり食事をとろうと思いました。
‥そのときです。
見えてる視界のなかから、不意にあらわれたんです。
『アレ』がね。
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