止まらぬ唯我独尊

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  今日すべての撮影が 不可能になったとして、 他の日にやり直しましょう というのは無理がある。 一瞬青ざめた顔をしたものの、 九鬼さんの反応が この部屋の中で一番早かった。 「……判りました。 ちょっと、私の方で 知り合いに当たってみます」 九鬼さんはあたしに 「申し訳ない」と会釈して、 携帯を手に部屋を出ていった。 自分は何をしたらいいだろう、 と頭をぐるぐるさせていると、 拓海さんは眉根を寄せたまま 腕組みをする。 「……カズヤに任せておけ」 「え?」 「あいつの顔の広さは半端ないからな。 和泉朱里の男は劇団持ってるし、 そこから当たるんじゃないか」 「……あ」 .
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