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ごくまれに、大喧嘩が起こる時がある。いつも原因は些細な事。そんな日は誰かが大怪我をしたりして。母さんは「なんでこうなっちゃうのかしら」って言うけれど、竹刀を持つ人同士が喧嘩するとどうしても怪我人が出てしまう。 そんな時はあたしが包帯を巻く。つい、2,3年前からのあたしの役割だった。 「今日も何もないといいな」 あたしは書物を持って立ち上がり、着物をパンパンと、はたいた。 「やっぱり埃っぽい…」 窓を開けたまま、階下へ降りる。
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