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「包帯どこだっけ」
軒先にあたしを座らせると、すぐに戸棚から包帯を探し出して、薬箱を手にしている。
「ありがと。あとは自分でできるから」
「ダメって言ってるの、わからない?」
「だって…」
一振りでもいい、少しでも総ちゃんの妨げにはなりたくない。
「いいの、俺、強いから」
あたしの考えを読み取ったように総ちゃんが言う。強いのは知ってるけど。
「今はあかねの足の方が大事でしょ」
傍にいてほしいけれど、本当は戻った方がいいはず。あたしの心の中は葛藤よりずるさが少し上にある。だから、総ちゃんがあたしの足にくるくると包帯を巻きつけているのを見て、もう「戻って」とは言えなかった。
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