***2015***

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「ここ」 “瀬田”と書かれた表札を指すと、「どうぞ」と玄関の扉を開けた。 パタパタと小十郎がしっぽを振って待っている。 「かわいい」 葵は小十郎の頭をなでる。 「…小十郎、普段は人見知りするんだけどなあ」 「そうなの?」 お邪魔しますと、葵は靴を脱いで玄関に上がった。小十郎が葵の周りをくるくる回る。犬でもやっぱりオスなのかな、とか馬鹿なことを考えながら、2階に案内した。
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