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小十郎の居場所は俺の出窓。定位置に寝そべってじーっとしている。葵はきょろきょろと俺の部屋を見渡して、「あ、これ!」と、一緒に行った遊園地のお土産を見つけてほほ笑む。
ぜんまい仕掛けでキャラクターがトコトコと歩く。葵はぜんまいを巻くと、小十郎のいる出窓に置いた。
ジージーと独特の音をさせながら小十郎に迫る。小十郎は全く見てないのかと思いきや、おもちゃと視線を合わせることなく、寝そべった状態からお座りに変わった。
「もしかして怖いの?」
葵が振り向きざま俺に聞く。
「そうかも」
思わず苦笑する。小十郎とはボールを投げたり遊びはするものの、家の中でぜんまい仕掛けを向かわすという可愛い発想が俺にはなかった。
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