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葵はすっかり小十郎が気に入ってしまったらしく、さっきまでの緊張感はどこへやら、すっかりくつろいでいた。
俺はベッドを背に床に座ると教科書を出して、葵を眺める。小十郎とじゃれる葵は無邪気で可愛い。
いつまでも遊んでるわけにはいかないかなと、腰を上げた。
「飲み物とってくるよ、何がいい?」
「なんでもいいよ」
葵は振り向きもせず小十郎に構っている。
「適当に取ってくるわ」
俺が構われたい…。自嘲気味にそう思うものの、小十郎に向けられる葵の目はいつもよりキラキラしていているから、そのままにしておきたい気持ちもある。
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