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プープー 草笛の音が大合唱している。 あたしは縁側に座ってそれを聞いていた。ぷらぷらさせている片足はまだ包帯が取れない。 総ちゃんの周りを平太をはじめとした子供たちが取り巻く。今日は誰が一番、草笛で大きな音を出せるか競争しているらしい。 「あかね姉ちゃんはやらないの?」 一番小さい女の子が私のところまでやってきた。 「そうね、あたしの代わりに吹いて?」 「うん、いいよ」 と小さな頬をふくらましてプープーと音を出す。何人か自然と女の子があたしの周りに集まってきた。
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