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「ただいま…」
あたしが道場に入ると、みんな何かを訴えるようにあたしを見る。
「あかね、今のだれだ?」
ひときわ目鼻立ちのよい土方さんが切り出した。巷の評判は知らないけれど、あたしの兄だと主張して過保護なまでに心配をしてくれる、ぶっきらぼうだけど優しい人。
「知らない。買出しだそうよ? 味噌屋が知りたいって言うから、途中まで一緒に来たの」
「ふーん」
何か言いたげな目を隣にたたずむ背の高い男に視線を送る。
「だってよ、総司」
総司と言われた彼は、胴着を着たまま、あたしに視線を投げると
「んー」
とすっとぼけた声を出す。
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