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「そんな事より、こんな入口でつったってないで。ちゃんと後掃除してよ」 と、あたしが言うと 「だって、あかねが心配じゃん?」 と間髪入れずに返してきたのは、あたしの気持ちを知ってか知らずか、一緒にいた男をガン見していた新八さん。 「道案内の何が心配なのよ」 「わかってないな、お前は。道案内してくれって言うのが一番怖いんだよ」 「だから、いつもの通り…新ちゃんたちが追い払っちゃうから怖くないんです~!」 あたしは舌をイーっと出して、そのまま奥へ向かう。「えー、俺がダメ出しされちゃうの?」などと、後ろから聞こえてくる。 「総司、とりあえず行っておけ」 苦笑したような土方さんの声が聞こえる。 「んー」 相変わらずすっとぼけた声を出して総ちゃんがあたしの後を追ってきた。
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