序章

7/7
前へ
/7ページ
次へ
当然のように疑問に思った事を俺は口にする。 「……で、誰? 紗凪の友達か?」 その問いに答えたのは黒髪少女ではなく、ベッドに寝巻き姿で腰掛ける紗凪であった。 「お父さんの助手さんらしいよ、お兄ちゃん」 「……助手?」 そう言葉を漏らし、訝し気な視線を黒髪少女へと向ける。 長い黒髪をツインテールにして、ゴスロリのような服装に身を包んだ彼女は、まんまアニメの中のキャラクターのようですらあった。 歳は紗凪とそう変わらなそうに見えるが。 話題が自分へと向いている事を理解したのだろうか、当事者であるその少女は腰に両手を当て、無い胸を目一杯に張った。 俗に言うエッヘンのポーズだ。 「えっへん」 そして口に出しやがった。 何だコイツ……。 キャラ濃い奴だなーと俺は思いながらも軽く受け流し、冷静に分析結果を述べる。 「こんな、ちんちくりんな奴が? 親父の助手?」 「ーーッ!?」 それを聞いた黒髪少女が、それはそれはもうブルブルと震え出した。 見てるこっちも釣られて震えてしまいそうな程に。ブルブルと。 「人間バイブレーターか何かかよお前」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加