1 出逢いの章

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「こんばんは」 レジの女の子に声をかけられた。 すっかり顔馴染みになっているアルバイトのカオリちゃん。 彼女は現役女子高生。笑うと両頬にエクボが出来る。よく働く可愛い子。 そのカオリちゃんが、何か言いたげな顔で商品を袋に入れ始めた。 視線がチラチラと私の後方へ動く。 「?」 振り向くと、そこには『有森省吾』が。 ――――マズい!誤解される!というか、すでにされてる! 「カオリちゃん、あのね…」 「あ、その本は重いから別に入れてもらえるかな?」 「はぁ~い」 私の言葉を遮るような有森省吾の注文に、彼女は元気良く返事をし、私を見てニヤリと笑った。 本当に、絵に描いたように『ニヤリ』と笑ったのだ。
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