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「こんばんは」
レジの女の子に声をかけられた。
すっかり顔馴染みになっているアルバイトのカオリちゃん。
彼女は現役女子高生。笑うと両頬にエクボが出来る。よく働く可愛い子。
そのカオリちゃんが、何か言いたげな顔で商品を袋に入れ始めた。
視線がチラチラと私の後方へ動く。
「?」
振り向くと、そこには『有森省吾』が。
――――マズい!誤解される!というか、すでにされてる!
「カオリちゃん、あのね…」
「あ、その本は重いから別に入れてもらえるかな?」
「はぁ~い」
私の言葉を遮るような有森省吾の注文に、彼女は元気良く返事をし、私を見てニヤリと笑った。
本当に、絵に描いたように『ニヤリ』と笑ったのだ。
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