1 出逢いの章

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* 出逢いの章 * ほの白い月明かりが無ければ吸い込まれてしまいそうな闇の中。 耳元をすり抜けていく風に、不機嫌な波の休符が重なっていく。 『二股』 そんな言葉がこの世には存在する。 そしてそれは決して珍しいモノでは無く、どこにでも転がっているのが現実。 ただし、『自分』とは無関係の『他人』事として――。 根拠も無く、そう思っていた。
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