4 省吾 再び

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――――う~ん、また黙っちゃったな。誤解は解けたと思ったんだけど。あ、そっか。いきなり旅行っていうのに無理があるのか。 でも、2人っきりって訳じゃないし、いいと思ったんだけど。 勝手に冷蔵庫を開けさせてもらって赤の葡萄酒を出してきた。 それを見た葵さんがワイングラスを拭く。 栓を開け、静かに注ぐと、ミッキーとミニーがよりはっきりと浮かび上がった。 「じゃ、乾杯」  香りを嗅いで一口。 「美味しい!こんなの初めて飲んだ!」 グラスを上に上げたり、斜めに傾けたり、ボトルを手に取って考えている。 ――――たぶん、何か浮かんでるんだろーな。凄ぇ楽しそうだ。
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