603人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
続いて白を開けた。
本来ならば、順番としては白を先に飲むべきなんだけど。
だから、ミネラルウォーターを口に含み、味覚をニュートラルにしてから改めて乾杯。
「美味しい~。今までの白が霞むね~」
「宣伝部にデザイン発注がいきますからね」
「うん、頑張る。そうと決まれば寝なきゃ。明日、起きれなくなるから」
「え、明日行くの?」
「当たり前でしょ?企画に入んなきゃ」
急に元気になった葵さんは寝室に引っ込むと、ふわっとした羽毛布団を抱えて出て来た。
「省吾。悪いけどソファーで寝てね。これ、布団と枕。明日、朝、家に戻んなきゃ駄目でしょ?だから早めに起きるから朝ご飯食べていってね。あ、トーストだけど大丈夫?」
「え、あ、うん」
「じゃね、おやすみなさい」
――――寝室に入っちゃった…。はぁ~、どーなったんだ?この状況…。まぁ、元気になって良かったけど、俺、休む気満々だったのにな~。やれやれ…。
仕方なく、リビングの電気を消してソファーに寝転ぶ。
ガーデンライトが仄かに揺れて見えた。
――――しょーがねぇな~。けど、ま、いっか。
そういう気持ちになった。
最初のコメントを投稿しよう!