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会社の前まで来たものの、向きを変えて公園へ向かう。
社屋に入れない訳では無いがフロアに上がったところでする事も無いのだ。
そこで、たまには人間観察でもするか、と辺りを一望出来る正面のベンチに腰かけた。
――――あ~、天気良いな~。ここでランチっていうのも悪くないかも~。今度お弁当作ってこようかな~。
両腕を上げて伸びをしていると、「やっだぁ~、有森さんったら~」と若い女性特有の周波数の高い声が聞こえてきた。
――んん?有森省吾が女子社員とご出勤だ。あれは…、受付嬢の香坂那美ちゃん。
短大卒、入社2年目。社内一美人と評判の那美嬢。
彼女狙いの男性社員は、社内だけで無く、社外にも居ると聞いている。
特別、私と関わりある訳でも無いのだが、会えば必ず声をかけてくれる。
顔だけで無く性格も可愛い子。
――――ふ~ん…。那美嬢も有森省吾狙いな訳ね?まぁ、無理も無いか。それにしても、似合ってるな~、あの2人。有森省吾もニヤけてる、ニヤけてる。満更でもなさそうね。
この色男!泣かすんじゃないわよ!
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