7 省吾と葵、次の一歩

2/72
603人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
7 省吾と葵、次の一歩 週明け――。 忙しい平日が繰り返されていく。 そんな中、木曜日。 昼過ぎに省吾からメールが来た。 『今日は定時に終わりそうなんだけど、帰りに夕食を一緒にどうですか?』 ――――定時に終われるなんて珍しいな。ずっと残業続きだったのに。 『OK』 ――――あ~、もっとなんとか可愛く書けないものかな~。ほんと、こういうの苦手で…。 『じゃあ、1階ロビーで待ってます』 ――――1階ロビーで?それ、マズいんじゃないの?社内中の噂になるんじゃないの? 『待ち合わせは外にしない?』 『なんで?』 『ロビーだと人目につくから』 『上等です』 ――――じょ、上等です~?ちょっと待ってよ。 すぐに次のメール。 『とにかく、下で待ってるから。来るまで帰らないからね』 ――――はぁ…。
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!