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「那美ちゃん。あなた、今幾つ?」
「22です」
「22か~、若いわね~。で、有森くんは確か25よね?」
「はい」
「22と25。3つ違いでちょうどいいじゃない。話も合うし釣り合ってる。
私はね、33なの。年が明けたら34になるの。釣り合わないでしょう?8つ、9つ違ってごらんなさい。もう話なんて合わないのよ?」
「年齢なんて関係ないと思います」
「逆ならね。逆なら『おっ、若い彼女でいいな』って事にもなるでしょうけど。この場合、誰も褒めやしないわ。こういう時は大抵、『年上女が年下男を騙した』って言われるんだから」
那美嬢が黙った。
「私の事なんて気にする必要は無いのよ?解った?」
その後、互いに黙ったまま料理を平らげた。
思うに那美嬢にしても、心中は食事どころでは無かっただろう。
しかし私と同じく、出されたものは残さず食べなさい精神で育ったようで、すべて綺麗に食べきった。
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