1 出逢いの章

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「だからね、先輩」 「え?」 「年齢なんて、意味無いと思うんです」 ――――マズい。話が戻ってきた。ほんとにこの子、どこまでお人好しなんだか…。 「じゃあ、先輩。そろそろ失礼します。今日はごちそうさまでした。長々とお話してすみませんでした」 ペコリと頭を下げた那美嬢が手を振りながら上りホームへの階段を下りて行く。 見送る私の脳裏には彼女の言葉が積み重なって…。 そして、最後にてっぺんで揺れるものがひとつ…。 ――――那美ちゃん、私ね、あいつが笑われるの、何か嫌なのよ。自分自身がとやかく言われる事よりもずっとずっと嫌なの。あなたみたいに思う人は少ないと思うの。 だってこの世の中、星の数ほど年下女が居るんですもの…。
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