1 出逢いの章

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「送って行きます」 男が歩き出した。 初めて会ったばかり。それも、ついさっき。勿論名前さえ知らない。 そんな男について行くなんて前代未聞の事。 けれども、この脳天気な雰囲気に呑まれてしまったのか、灯りの無い不確かな階段を、男の背中を頼りに目を凝らし上がって行く。 よくまぁこんな所を勢いだけで下りられたものだと、感情に突き動かされた自分の行動に呆れながら。
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