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「えー、それで最後、4号室が田中、影山、月島!」
「ツッキー、別々だね」
「山口、うるさい。あのー、なんか僕の部屋だけ…むさくないですか」
「なんだと、コラ、月島! この田中先輩と同室で文句があるのか!」
「いえ、そういうわけじゃないですけど…このバレー馬鹿と一緒じゃ」
「ぷぷ、影山くん、バレー馬鹿って言われてやんの」
月島の揶揄に、日向が乗っかった。いじられた影山は、額に血管を浮かべて怒号を飛ばした。
「てめーこの、月島! 日向!」
「こらこら、止めなさいよ。合宿は仲を深める目的もあるんだから。無理に仲良くしろとは言わないけどさ、チームとして、ある程度は…」
キャプテンの澤村が場を収めようとする。しかし、二人は聞く耳を持たずに喧嘩を始めてしまった。まるで、入部当初のように。
「クソ日向、てめー調子に乗んなよ!」
「いて、いてててて…や、やめろよ」
「影山、日向…」
「!? だ、大地さん!?」
「あのね、遊びに来てるんじゃないのね、そこら辺、分かってる?」
澤村は真っ黒のオーラを背負って、二人を威圧した。その危険さを察して、二人はすぐにビシッとした。
「す、すみませんっ!!」
「おい、龍!」
また他方では、西谷と田中の二年生コンビがコソコソと話をしている。
「なんだ? ノヤっさん」
「この合宿は、潔子さんと一緒だ!!」
「おぉー!!」
思わず感動してしまった田中の声に、澤村の眼がギラリと光る。
「西谷、田中、お前らも一年に恥ずかしくない行動を頼むぞ」
「分かりしましたっ!」
こちらも日向と影山と同じく、ビシッと姿勢を正した。東峰と菅原は、やれやれと言うように呆れて傍観していた。
「それじゃ一時間後に練習始めるから、体育館に集合な」
「はいっ!」
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