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「大地、ちょっとこっちに来なさい。」 そんな幼馴染(男)の会話から数日後のこと。俺の名前を呼ぶのは白髪だが、筋骨粒々とした見た目推定40台である俺の爺さんだ。未だに現役の猟師で、俺も良く爺さんと狩りに行くものだ。 「なんだ、大吾爺さん。」 俺の祖父、大吾爺さんは畳の上に覇気を放ちながら威風堂々と座っている。別に家にいる時くらいその意味不明な覇気は仕舞ったらどうなのかと問いたいが、その後の畑仕事が正直怖いから言わないっつか言えない。 「まあ、そこに座りなさい。」 「何だ?俺何かしたか?……あ、もしかして大吾爺さんの楽しみにしてた饅頭食べちまったことがばれたのか?いや、やっぱ野良猫が盗っていったなんて嘘流石にばれ、ってまて爺さん。その手に持ってるものを下ろそうかいや下ろしてくださいそのクマの置物で何をする気ってちょ待ってえええええええ!!!!」 とりあえず何とか爺さんが孫を撲殺してムショ送りするのは無事防げたぜ。いや、誰のせいだろうね全く。 「……はぁっ、……はぁっ、」 「何、軽い冗談だ。」 「いや目が本気だったじゃねえか。」 「…………冗談はさて置き。」 今の間は何だ、と突っ込みかけて喉頭蓋でギリギリ食い止める。過ちは繰り返す物ではないよな。うん。 「お前は23だったな?」 「歳か?23だけど、大吾爺さんは俺の歳を忘れるほど頭使っ……いや、何でもないから熊はこっちに預かろう。」 口より先に手が出るのは相変わらずだ。口は災いの元ってしらないのかこの脳筋爺さんは。 途端に歳に不相応な鋭い眼光を向けられたので思わず居住まいを正す。この爺さんは読心術でも使えるのか?
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