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居住まいを正した俺の目を見て爺さんは話し出す。
「何、お前に誕生日ぷれぜんととやらをやろうかと思ってな。」
「……は?」
「む?聞こえんかったかの?ぷれぜんとじゃ、ぷれぜんと。」
平仮名表記で読み辛いとかいうメタ発言は置いとくとして、だ。
「え、俺に?大吾爺さんが?」
「今更婆さんに上げるものなどあるか。大地、お前にじゃよ。」
産まれてこの方、というか爺さんと婆さんに預けられて以降何かを与えられるなんて初めてだった。正に青天の霹靂。まあ今まで迷惑だと思い甘えてこなかった俺も俺だが。
こんな田舎じゃ与えるにしても猪とか山菜とかその程度しかない。そんな中ぷれぜんと(大事)とは……何だろうか?
「で、ぷれぜんとって?」
「うむ、これじゃ。」
爺さんは襖を開けて奥からダンボールを取り出す。ダンボールにはドリーミィライン社、VRMMORPG”HLO”とVRメット在中……ってこれ!?
「最新式のVRメットとHLOのカセットじゃん!?爺さんどうしたのこれ!!」
「何、ここの社長と儂は旧知の仲での。頼んだら送ってくれたんじゃ。欲しかったんじゃろ?」
「いや、欲しかったっつうか……」
幼馴染(男)とゲームでも会えたらいいのにとかいう話はしてたし、HLOの話は確かにしてた。そういう意味で言えば確かに欲しかったな。
「今まで大地は我儘も言わず、儂等の言うことを聞いていた。儂の息子……まあ、お前の両親が事故で亡くなって有無言わさずこちらに連れてきてしまった儂等からの責めてもの罪滅ぼしじゃよ。」
……爺さん。
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