とある農家のVRMMO探検記

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19時50分。

俺は自室の布団の上に寝転がっている。枕元には最新式のVRメット、通称ダイブメット。ドリーミィライン社がHLOーーHunter Life Onlineを制作するに当たり従来のVRメットを更に改良、ダイブ中の時間感覚を現実の1/3へと減少することに始めて成功したものだ。つまり一時間のログインで3時間ゲームの中で過ごすことが出来るらしい。

もちろん最大ログイン時間も人体の負担になるとされている6時間まで、と設定されており、その間のダイブ時間は18時間。およそ一日となる。

過去に発表された作品では主に格闘ゲームやロボット操縦のようなゲームが主体であったが、今回完全自立式の自由度に限りのないゲームを作る、という事で開発されたのがHunter Life Onlineだ。

……まあ幼馴染(男)の受け売りなんだけど。初版は予約制となっており3万本が即日完売。つまり3万人もの人が今日20時からログインするわけだ。

俺もその例に漏れず20時からログインするわけなんだが。

幼馴染(男)が話していた話によると、だ。
1.ゲームの中では狩人として様々な動植物を狩る、所謂ハンティングアクションゲームの一つ。
2.職業という概念はなく、完全スキル制度。魔法はあり。
3.狩人にもなれるが生産職として狩人をサポートすることも出来る。

とのこと。とは言うもの産まれてこの方ファンタジーというものに触れてこなかった俺としてはあまりよく分からない話である。

GM(運営)は結構丁寧に応対してくれるだろうとのことで、何かあればそちらを当たらせてもらうとしますか。

おっと、そうこうしてるうちに19時59分だ。俺はダイブメットを装着し、四肢の力を抜く。目の前のバイザーの表示が20時になった瞬間。

全世界の3万人もの人が一斉に「ダイブイン！」と唱えた。