【甘えんぼあっくん 編】

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二人でダイニングに入ると夕飯の匂いが漂ってくる。 「今日は何?煮物?」 「うん、今日は和食だよ」 「いい匂い」 「もうできてるよ」 俺はそこで考える。 「……なあ、ひかる。アレ言って」 「……アレって!?」 「新婚の定番」 ……別に新婚でも何でもねーけど、まあいいんだ。 「定番て……なんだっけ?」 「『お風呂にする?ご飯にする?』ってやつ」 俺が言うとひかるは予想通りのゆでダコになる。 「……新婚じゃないし……」 ひかるは俺から視線を逸らして鍋の中の煮物を温める。 そっぽを向いてもひかるの顔色は誤魔化せない。 耳まで真っ赤だ。
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