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すごく変わった子だけど……面白い子だな、とも思う。
仲良くなれたら、きっと楽しいんだろうな。
とぼとぼと俯きながら、藍色ショートの子はこっちの方……つまり後ろの席まで歩いてきて、空いている机の上にドサッと荷物を置いた。
カレンとは反対側……私の右隣の席に、その子は腰を下ろしたんだ。
「ちぇっ、初日から遅刻なんてついてないぜ。最強を目指す私の覇道が、いきなりつまずいちゃったみたいでさ」
なんだか拗ねたような表情で、鞄を机の脇に掛けながら独り言のように呟いた藍色ショートの子は、チラッと私の方へ目を向ける。
「いやー、参ったね。まさか学校内で迷子になりかけるなんて……やっぱ名門校は校舎もバカでかいなー。あんたもそう思うよね?」
と、同意を求められた。
まさか向こうから話しかけられるとは思わなかったけど、これは嬉しい誤算ってやつだね。
この子となら、すぐにお友達になれそう!
「確かにすごく広いよね。私はもう慣れちゃったけど……もしかして編入生の子かな?」
「その言い方からすると、あんたは初等科からの内部進学組か……ああその通りだよ、私は編入生としてこの学校にやってきたんだ。この学校で天辺取るためにな!」
にかっ、と可愛らしい八重歯をちらつかせて笑う藍色ショートの子。
きっと、この子の心は夢と希望で満ち溢れているんだ。そういう笑い方してるんだもん、すぐにわかったよ。
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