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藍色ショートの子の口は、まだまだ止まる様子がない。
早口に今日遅刻した言い訳などを喋っていたんだけど、はっと何かに気付いたように話題を変えた。
「あぁ、そうだ、自己紹介が遅れたな。私はミヅキってんだ。あんたは?」
「私はフィアだよ。よろしくね、ミヅキっ」
「そっか、フィアっていうのか……こちらこそよろしくな! なんせ編入生だからさ、まだこの学校のこともわからないことが多いんだ。仲良くしてくれると嬉しいな」
軽く自己紹介を終えると、ミヅキは手を差し出してくれた。
もちろん私はその手を取って、ミヅキとがっちり握手を交わす。これでもう、私たちはお友達……だよねっ。
「へへっ、遅刻したときはつまずいたかと思ってたけど、最初に話しかけたのがフィアでよかったよ。いきなり友達一号ができたし、幸先いいな! ……あ、でもライバルだってことも忘れないでよ! 私が一番になるんだから、例え友達であろうとも絶対負けねー!」
「もちろんだよ! お友達として、ライバルとして……一緒にたくさん思い出作って笑い合って、一緒に競い合って強くなっていこうね」
明るい笑顔で友達&ライバル宣言をするミヅキに、同じくらいに眩しい笑顔と共に言葉を返す。
私だって、誰かに負けるつもりはないから。
誰よりも強く、誰にでも優しい、そんな勇者になるために。
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