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「うわー、改めて見るとでっかいなー。たくさん人もいるし!」
第二体育館へ到着したときのミヅキの第一声がそれだった。
きょろきょろ周りに視線を移し、興味津々みたい。
「中等科は各学年35名の全8クラス、合計840人が在籍してるからね。最初は私も驚いたよ」
名門校でありつつマンモス校でもあるのが、王立カーベイジ魔法学園の特徴だ。
因みに初等科は各学年240、高等科は各学年320名。それぞれ中等科、高等科へ上がる度に、毎年40名の編入生を迎え入れている。
「こんな中天辺狙えるなんて……今から武者震いが止まらないぜ!」
ミヅキは目を輝かせて、自分を奮い立たせていた。
逆境のときほど燃えるタイプなんだね、きっと。
「私だって負けないからね、ミヅキ」
「お、フィアもやる気じゅうぶんだな!」
今度は私の方からライバル宣言。
ミヅキもそれににかっと笑って答えてくれて。
こんなにもすぐに仲良しになれて、すごく嬉しいな。
「さ、おとなしくして始業式、ちゃんとやろ。おしゃべりタイムは終了だよ」
「うっ……おとなしくしてんのは苦手だぁ……フィアってば、真面目だな」
ピンと立てた人差し指を唇に当てるジェスチャーをしつつ伝えると、ミヅキはがっくりうなだれた。
こういう静かな行事は好きじゃないみたい。
でも、始業式だってれっきとした学校行事。ちゃんとやらなきゃね。
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