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「さて、早速だけどみんなに紹介しなきゃいけない人がいるの。入ってー」
ママ……じゃない、学校ではルミ先生だね。
そのルミ先生がみんなを見渡してから、手を叩いて誰かに合図を送ったようだった。
「誰なんだろうね、紹介しなきゃいけないって」
カレンがこそこそと私に耳打ちしてくる。そこは私もすごーく気になるところだよ。
扉が開かれ現れたのは、紫がかった黒髪の男の人……身長はママと同じくらいはあるかな。キリッとした表情で、整った顔立ちをしてる。
「紹介に預かった、副担任のディストだ」
……え? ディスト? ディストって……あのディスト!?
ディストって言うのは、ママの魔導武器……ディスパーズイーグの愛称だ。
ディスパーズイーグは特別で、人型にもなれるママの相棒でもあるんだけど……前にディストの人間形態を見たときは、今の私と同じくらいの背丈だったはず。
……と言っても、最後にディストを見たのも一年くらい前のことだから、その間にバージョンアップしていても不思議じゃないけど。
「アハハ、ディストったら挨拶かったいなー。もっと力抜いたらどう?」
「俺は仕事で来てるんだ。マスター……いや、ルミ先生こそ気を抜き過ぎだと思うがな」
にししと笑いながら、軽くディストの背中を叩いて見せたルミ先生。ディストはそのルミ先生に対し、呆れた視線を向けている。
「わかってるよ。ルミだって真面目だって……ただちょっとディストの緊張をほぐしてあげようとだね」
「諸君も知っての通り、このルミ先生は我が国の誇り……四英雄の一角を担う人物だ。本職こそ教員だが、国からの依頼で学園を抜けて仕事をすることもあるだろう。そう言う時に担任の代理として諸君らの面倒を見るための俺だ。よろしく頼む」
「えっ、無視?」
ルミ先生の言葉に耳を貸さず、淡々と述べたディスト……先生。
クラスの、特に女の子達の反応は上々だね。ディスト先生、端正なルックスだから。
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