第1章

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 「だけど、君は違うと言った。それってつまり君は俺のせいで夢を諦めたわけじゃないって事だよな?」  「うん、あなたのせいじゃない。私が悪いの。自分の本当のきもちすらわかっていなかったから。」  「俺だって自分の本当のきもちがわからない。だけど、それでも俺達は前に進んでいかなきゃならない。だから・・・・俺も不安だったんだ。俺が教員になれるかなんて、本当はわからないんだ。」  やはり、彼がそんな事を言うなんて意外だ。あの彼が将来に対してこんな不安があるなんて知らなかった。だから、私は彼の手を握ってこう言った。  「もう一度、一緒に勉強しよう?」  彼は私の手を握り返して「ごめん。」と言った。  そして屋上から外の景色を眺めて、私は安心した。暑かった事を思い出して、私たちはこんな時間になるまで話し込んでいたのかと少し驚いた。朝早く登校したのに、もうすぐお昼の時間だ。そして、朝から相変わらず今日の雲行きは少し怪しかった。やはり、今日の午後からは雨が降るのかもしれない。傘を忘れてしまったが、それでも構わないと思った。今日から、私は晴れた気分で頑張れる気がしたんだ。  
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