2269人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや、本当に、君がそんな風に思ってるなんて、流石に思いはしてないんだけど。でも、もう少し、周りを見てみてもいいんじゃない?」
…………確かに…。
確かに、自分自身に精一杯で、周りの人の事に目を向けられていないのかもしれない…。
だから、重山さんのイメージも上手く掴めないのかも……。
だから、望月さんがどうして俺を避けるのか、その理由が分からないのかもしない……。
変わりたいと思っているし、その努力をしないといけないとも思っている。
………でも……それらを実行に移せているだろうか…。
自分はそのつもりでも、他の人から見たら、そうじゃないのかもしれない。
「イライラするっていう訳じゃないけど、黒崎くんが殻に閉じ篭っているのを見てると、思わずつつきたくなるんだよね。君にしてみれば、いい迷惑だろうけどさ」
「………すみません」
片瀬さんが言っている事は、正論だ。
俺の事……そして神谷さんの事を思って、こうしてわざわざ言葉で伝えてくれているんだろうという事は、何となく伝わって来る。
それでも、弱くて情けない俺は、そんな片瀬さんの言葉に勝手に傷付いてしまう…。
最初のコメントを投稿しよう!