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「アスカ」
「わぁ伊織、鬼だ」
「お前は着物だな」
「普通のコメントありがとう」
まるで級友みてぇな二人は今回の衣装合わせで互いを初めて見たらしく楽しげ。パートナーっつー感じの雰囲気で、演技が始まる前から息はピッタリ空気もピッタリ
俺はその光景を見ながら内心思っていた
(伊織にこの女は凄くねぇか)
と
失礼この上ないのでとりあえず空気を読んで伊織本人には言いはしねぇが、昔の伊織を引っ張り出してはめると中々に不釣り合いで別れるわなぁとか(失礼な感想が止まらねぇわけで)
…今は、うん、いい感じだ
何がいいってアスカは同じ密度のままそこに居る。伊織を特別扱い、意識したようには立ち回らねぇ
「監督」
「はい?」
「いいっすねあの女優」
こそっと耳打ちすれば面白そうに笑った監督も「いいでしょう」と同意
「いいんですよ彼女」
「…気が済みました」
「済んだならスタッフの仕事に集中出来そうですか」
「存分に。撮りてぇと思えそうな女で良かったす」
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