撮影日誌

15/63
前へ
/591ページ
次へ
「あんま責めんなよ、凜を」 「責めてないし。じっと黙ってるし」 「うーそーつーけぇー」 「嘘だと思うでしょ。嘘だもん」 「嘘を付くのが当たり前のようにつくな」 「別に我慢しない。苛めはもうしないだけ」 「…苛めねぇんだ」 「しないよぉ?ご機嫌取るよぉ?」 「ほほぉ…」 「変わるんだよところ変われば品変わるんだよ」 キリッとしたいい顔で微妙にズレた事言って来るな ガチャッ 「…あれっ、丹吾さんがいる!」 「お疲れ様伊織ー、あれ、鬼?似合ってるね」 「わぁ見ないで」 帰って来た伊織は鬼の自分を褒められまたも真っ赤。慣れねぇなお前も 「はっ、ダメだよ丹吾さん、クランクインもしてないのに」 「俺も出るもん、映画」 「えぇ?」 「鬼で」 「本当ー??」 丹吾が伊織の銀髪のカツラをつるつる撫でながら「オファー来たからすぐ返事した。少しだけ現場一緒になるよ」と言えば伊織は物凄ぇ笑顔 ……なんと混み合った映画だろうか
/591ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1372人が本棚に入れています
本棚に追加