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…俺が、伊織に執着したからこそこんな風に映画を撮る機会が出来た
今後須藤監督が伊織を起用しなくても
監督が撮るもんを撮れる
「ぅあー…」
嬉しさがまたこみあげた
いい映像を撮れる人から起用して貰えた事を今頃実感する辺り、俺は結構ダメなんだと思う
前しか見えてねぇし不純な動機でしか動いてねぇ
「ん、よし」
俺が嫌がるのは俺の勝手だ。俺が撮りたいもんしか撮らねぇのは
自分勝手だ
伊織とアスカをファインダーに納めたのは必要最低限で「どれにしようか、これにしようか」なんて風に選べる量には到底及んでねぇ
怠慢を恥じなけりゃならん
ガチャッ
「反省終わった?」
出てきた丹吾にはお見通しのようで黙って頷いとく。充分に反省いたしました
「きょーすけ、行くよ」
「うぃ」
そして伊織は何のこっちゃ分かってねぇでもこいつは全然平気なんだよな
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